2010年 敷地のゴミ拾いと古民家の解体作業の年


・2010年1月30日・・・ひとまず室内清掃

解体した木材は既に処分済みですが、プラスチック製の建材はまだ放置したままです。ですのでそれらを細かくして袋につめ、廃棄しました。木質系材料ではないので、薪ボイラーでは残念ながら燃やせません。 解体作業で床の上が相当に散らかっておりましたので、ホウキで掃いてひとまず清掃しました。


・2010年4月17日・・・上田総合庁舎の保健所に行く

冬の雪山シーズンも終わりましたので、久しぶりにFERMEの仕事です。開業に当たって、役所で色々と調べ物をしたり相談に乗って頂いたりと、今月はここに通い詰めになるでしょう。東御市での営業は上田市にある上田総合庁舎が管轄です。結局しばらくは保健所、建設事務所、消防署、市役所などなど、場合によっては同じ部署に何度も足を運びました。肉体的にも精神的にも、ちょっときつかったです。ペンション開業の時のほうが何倍か楽でした。それにこちらはまだ終わってないし・・・。


・2010年5月17日・・・敷地内の草刈と内装解体(玄関と縁側天井)

うわっ、もうこんなに伸びてる!車山はまだぜんぜんなのに。うん、野菜作りには良さそう。 今日は玄関と、南側の縁側の天井周りを解体します。天井材は昨年末に剥がしたので、下地を剥がし始めます。こうやって古い建物を解体するのって、とても勉強になります。ベニヤのような合板は年月でペラペラと剥がれて用を成さなくなっていましたが、下地の無垢材はまるで新品みたいです。強度もしっかり残っています。 こちらは13間以上の長い縁側の天井です。天井材が取り付けられていた釘と、下地を取り付けてある釘を抜いてすべて解体します。重機で行う「ミンチ解体」はあっという間に終わりますが、手作業で部材を一つ一つ外していくのって、結構手間で時間はかかります。 解体が進むとこのようになってきます。でもまだまだ残っています。後半に従って部材の釘も段々と太くなってきますので、大変。解体しない元の材にはなるべくキズを付けない様注意して作業します。昨年末と違って、寒くないので助かるー!


・2010年6月18日・・・敷地内の草刈と内装解体(玄関と縁側天井)

南側の縁側の天井部分は、天井材、その下地全て取り除きました。すると年季の入った古いが、逞しい木材がその姿を現しました。うーん、力強い。 鴨居部分も後から色々と細工をして一見見栄え良くしているようなのですが、これも全て取り除きもとの姿に戻しました。 100年前は部屋の明かりのスイッチまで用意されていなかったのでしょう。後から土壁に穴を開けて、無理やり電気設備を埋め込んでいました。スイッチ部分を取り除いた後の姿。痛々しい。 今日も解体した部材がたくさん出ました。そろそろ片付けないと、いたずらで火でも点けられたら大変です。何せ今は空き家なのですから。


・2010年6月23日・・・敷地内の草刈と建具の取り外し

今日も草刈りです。さすがに暑くなってきました。 刈った後はとてもすっきりとした気分になります。でも直ぐに伸びるんだよな。 そろそろ別の部屋の解体作業のため、建物内の使える全ての建具を倉庫に運び出しました。 昔の家は障子やふすまで部屋を仕切ってあり、それらを取り除くとがらんどうな空間が出現します。室内には「壁」というのがほとんどありませんでした。


・2010年7月2日・・・内装解体(石膏ボードの天井部)

北側の部屋の天井材は他と異なり石膏ボードでした。石膏ボードを剥がすとさらにご覧のようにベニヤが貼られていました。こんな時はテレビ番組の「ビフォーアフター」で見るように、いっぺんにバリバリと派手に剥がすんだろうなと思いつつ、1枚ずつ丁寧に剥がすのでした。 柱に横に向けてかかる梁も、こんなふうにベニヤとビニルクロスで隠されてしまっています。もちろんこれらも全て取り除きます。この画像は真っ白ですが、剥がすと真っ黒に変わります。 石膏ボードとベニヤを剥がすとこんな状態でした。真っ黒に煤けた天井板と根太に何十年ぶりかで光があたっています。後から貼った天井材と元の天井との間が結構スペースがあったため、小動物の住処になっていたらしく、ゴミや埃がすごかったです。 天井下地も剥がすとこんな風になりました。うーん、昔っぽい!いいぞ。この飾り気のないシンプルでいて、かつ力強い表情は飽きが来ないね。化粧材など無駄なものは無し。


・2010年7月6日・・・内装解体(内装壁材剥がしと作り付けタンス分解)

まずタンスの扉を4枚外しました。そして当時作った順番と逆の順番で分解していきます。分解した材はすべてびすとろまほうの家のお湯のエネルギとなります。 今日はここまで。向こう側の景色が見えるようになったでしょう。タンスの裏には古い階段が。 土壁を内装壁材のベニヤ板が取り囲んでいました。下地も全部取ったら煤けた古い土壁が現れました。ちょっと傷みが確認されます。 石膏ボードの天井下地を剥がしたので、掃除した床がまた散らかってしまった。大工仕事における清掃作業って結構ウエイトしめる。


・2010年7月9日・・・敷地内の草刈と内装解体(内装壁材剥がしと作り付けタンス分解)

草刈作業の後、今日の解体は作り付けタンスの左側です。前回に扉と横の壁は取り除きました。正面から見るとこんな感じ。タンスの上のほうは白っぽいベニヤでカバーされています。これも取り除きます。 タンスを裏から見ますとこんな感じです。初めはこのタンスの後ろに敷居があって障子が閉められていて、後ろから見るとタンスがあるとは思えませんでした。でも色々なものが剥がされ、段々とこの家の正体が解ってきます。それってなんだか人間みたい。 全て取り除いた後の状態です。大黒柱と階段しかありません。もともとはこの表情の家だったのです。 梅雨でなかなか木材を運べません。こんなにたまってしまいました。捨てずに木質系燃料としてびすとろまほうの家で使いますので濡らしたくないからです。お天気の良い日にまとめて運びます。


・2010年7月21日・・・解体材の釘抜き

玄関、縁側、作り付けタンスなどの解体により出た木材。この状態では釘がたくさん刺さっています。積み上げられた木材の高さはみぞおちほど。 かなづちと釘抜きのみで作業します。解体材は薪ボイラーや五右衛門風呂で燃やすので、釘はあらかじめ抜きます。抜いた釘は鉄として再利用されます。 本日釘抜きを終了した解体材。角材と板材それから小さい木っ端に大体分けて、運びます。今日はお客様のチェックアウト後の半日作業でした。 今日も休憩無しで集中して作業しましたが、これだけしか減りませんでした。もっとピッチを上げなければ。なるべく時間を作り、徹底的に作業することにします。


・2010年7月22日・・・解体材の釘抜き

さあ、今日もひたすら釘を抜くぞー。時間はありそうで結構無いのですね。人生長いようで短いのですね。マイペースでどんどん作業します。するとこんなにも残りが減りました。よーし!と、一人で無理やり意気込んでます。自分で自分を盛り上げないと、単調でつらい作業・・・。 やったー!とうとう終わった。綺麗に無くなりました。嬉しいのでホウキでちょっと掃いちゃいました。この床もやがては剥がして、本当に昔の状態の土間にする予定です。時代を100年戻すぞ! 昨日と本日の2日間で釘を抜いて薪として使える状態になった材です。君達、市の焼却炉で重油で処分されるのではなく、高原の宿のお湯を沸かして世の為に働くのだ。いいか! 軽トラに満載。重いよー。さあ、びすとろまほうの家に行くよ。


・2010年7月27日・・・敷地内の草刈と内装解体

暑いので草刈作業は結構こたえます。でもこれをやらないと周りのお百姓さんたちに迷惑がかかりますので欠かせません。宿の仕事の合間を縫って作業せねばなりません。 ツツジに絡まったつる性の雑草。これが何年も放置されていたようで、すごい事になっています。手作業で取り除きます。 なぜか1部屋だけ天井が紙で覆われています。何の為か解りません。とりあえず取り除きます。紙がもう紙でなくなっています。棒で触るとパリパリ紙が割れてしまいます。破れるのではなく。 全て剥がすとこうなっておりました。他の部屋は囲炉裏などで真っ黒に煤けていますが、紙でカバーされていただけでこんなにも違います。100年前の製材ですよ。年月経っても木というのは若々しいですね。
この部屋は当時土間だった、カマドなどの調理をするための設備があったところです。左右にある白いものは、黒い梁を隠しているベニヤと壁紙です。まずは壁紙が貼られたベニヤごと剥がします。 側面はまた更にベニヤが貼られていました。底面は石膏ボードでした。更にそれらを剥がしました。 するとようやく下地が出てきて、後はこれらの角材を取り除くだけです。 最終的にはこのように真っ黒に煤けた梁が現れるのです。昔の人は黒く煤けた部分をなるべく隠して、少しでもモダンに見せることに一生懸命だったようです。


・2010年8月31日・・・敷地内の草刈(今日の持ち時間は3時間、急げ)

1ヶ月以上経っておりますのでご覧のとおり草ボウボウ。今日は3時間しか作業時間がありませんので、急がなければなりません。 敷地内はほとんどこんな感じ。軽トラが隠れてしまいます。 やっとのことで草刈終了!軽トラはタイヤまで見えます。 この夏は特に暑かったせいか、草丈が長いように感じました。いや、こんなもんかな。とにかく車山の庭とは全く異なります。さあ、急いで帰らねば!


・2010年9月5日・・・敷地内のゴミ(鉄くず)集め(今日の持ち時間は1時間)

庭のあちらこちらに色んな物が捨ててあります。年月が経っていますので、草や土に埋まってしまっています。それらを掘り出し、すべてきれいな状態にするのですが、まだ先は遠い。とりあえず今回は、鉄くずを引き取ってくれる業者がありますので、鉄のみを集めます。 今日も残念ながら時間がありませんので、休憩無しの急ピッチ作業です。東側の庭からは車のシートが出てきました。すごいでしょ! 雨どいの様なかさばるものは踏ん付けて小さくたたみ、軽トラに片っ端から積み込みます。勿論今日だけでは終わりませんので、なるべく大きな物に絞って積み込みます。鉄くずといっても古いので錆だらけです。こんなの引き取ってくれるのかなあ? 帰ろうとしたら何と窓の外にアマガエルがちょこんと座っていました。夕日を浴びて何だか黄昏(たそがれ)ています。いじめないので、我々を受け入れてね!よろしくね!


・2010年9月15日・・・敷地内のゴミ(鉄くず)集め

敷地内には長年かけて捨てられたゴミがまだまだあります。このように一箇所にいろんな物をまとめて捨ててあります。この中には子供用自転車、車の座席、草刈機、たくさんの鍋、雨どい、網、鉄の菓子箱、水筒など・・・。 1日作業でご覧のとおり、この箇所のゴミはすべて処分致しました。スッキリして気持ちいい!金属類は業者が喜んで持って行ってくれました。この作業を敷地内の全てでする必要があります。 何と車の座席が捨ててあったのですが、周りの布や中のクッション材を手でひきちぎり、金属部分だけにして業者に渡しました。1日1日と段々と変化してゆくFERMEを見ているとウキウキと楽しくなってきますね! 本日出た金属類のゴミ。これの他に錆びたトタンが10枚以上と、室内電気配線ケーブル(芯が銅なので)家1軒分。


・2010年10月1日・・・敷地内のゴミ集め

以前畑として使われていたと思われるところに、ご覧のようなトタンが積み重なっております。物をゴミとしてなるべく捨てたくない私でも流石にこれは使い道がありません。錆びたトタンを無機質な部屋のインテリアにしている例を見たことはありますが・・・。鉄くずとして業者に引き取って頂き、リサイクルされることを望みます。 錆びたトタンを剥がすとそこには太い木材が積まれていました。もちろんほとんど腐っていますので使えません。天日干しして乾かして、使える部分は薪にします。使えない部分は土に戻します。木材はここだけでも20本くらいあります。土と草でほとんど埋まってしまっています。 土の中に埋まっているトタンは錆びすぎてボロボロ。つかむと崩れます。小さいのもこまめに取って、敷地を自然なままのきれいな状態に戻します。 トタンの下から出てきた木材。しばらくはこの場所で乾かします。もう何十年太陽光を浴びていないんだろうなあ。気のせいか、何となく嬉しそう?


・2010年10月3日・・・照明器具、電気配線の撤去

古民家なので真壁構造のため電気配線はすべてむき出しで、見た目は良くありません。照明機器も中途半端に古く、配線と共にすべて撤去。なのですっきりしました。現在と違い、当時は無垢の木しかなかったので、年月でいい味が出てきています。 全ての部屋の配線と照明機器を取り除き、非常にすっきりして当時にタイムスリップした様な不思議な気分になってしまいました。また、昔の家って柱などにやたらに釘が打ってありますよね。上の画像の中だけでも10本はありました。これも全て抜きました。 大量の錆びたトタン、庭から出てきた鍋、雨どい、食器や照明機器などを軽トラに積んで今日もお家に帰りましょ。鉄くずを一まとめに縛ったり、配線コードを束ねたりが結構疲れました。早く帰って五右衛門風呂で暖まろっと! 食器棚(かな?)の横に貼ってあったのが、昭和27年の汽車の時刻表でした。私がまだ生まれる前に、この家では活気のある生活が営まれていたのでしょう。そして更に100年後に、私達の人生を感じてもらえるように、一生懸命にここでも足跡を残します。


・2010年10月19日・・・建築廃材、ゴミの片付け

ここには山ほどゴミが積み上げられていましたが、かなり無くなりました。スッキリして気持ちいいなあ。 ゴミや建築廃材は小さくこのように袋やダンボール箱に入れて持ち帰ります。こんなことをもう何日繰り返しているんだろう。 2Fの雨戸を空けたら何とこんな出会いでした。まるでピクチャーウインドウ。紅葉したもみじが鮮やかです。 今日も軽トラに満載。良く働く車です。これからも一緒に頑張ろうね!


・2010年11月12日・・・敷地内の草刈と建築廃材の片付け

今年最後の草刈です。これから約半年は草が伸びません。 庭も以前と比べると綺麗になりました。でも良く見るとまだゴミが・・・。 部屋に立てかけてあった畳を全て車庫に移しました。これは残念ながら再使用しません。ストロウベイルハウスを将来これで作ってみようかな!? 今日も多くの廃材が。これらは不燃なのでお風呂には使えません。やはり自然に帰る素材で家を作りたいです。


・2010年11月22日・・・内装解体と建具の掃除

今日はかみさんも一緒です。建具を綺麗に掃除しています。昔の家は壁が無く、建具で部屋を仕切っていたのでその数やすごいです。部屋を広く使ったり、仕切って空間を作り出したりと、汎用性があったんですね。 泥や埃を落とし、障子はすべて剥がします。建具はなるべく使えるものは使いたいです。古いものは味わいがありますからね。 階段周辺の下地材はすべて取り除きました。階段はもっと緩やかになるよう作り替えます。現場で解体しているのと同時に、家に帰ってきてからは間取り設計で多くの時間を費やしています。消しては書き、また消しては書き・・・。 2Fはすべて養蚕に使っていたようで、天井にはやたらに針金が渡してありました。そしていたる所に新聞紙が貼られております。これらもすべて撤去です。


・2010年11月23日・・・電気配線の外し

今日は碍子配線を外します。今は壁の中に電気配線しますが、当時はこのように配線がむき出しでした。もちろん被膜はされています。 配線は大概高いところにありますので作業し難いです。上ばかり見ているので肩が懲ります。 中にはこんなその辺の有り合わせの材料で配線を碍子に縛ってありました。適当です。 壁を貫通する箇所や配線同士が接触しやすいところなどには、このような碍子製のチューブが使われておりました。初めて見ました。


・2010年11月27日・・・2Fの一部解体

2Fは豪快でダイナミックな構造をしています。でも後で養蚕のために都合のいいように、色々と木材を梁などに打ち付けていました。 それらは決して美しいものではなく、むしろ邪魔者です。今日はそれらを全て取り除くべく、2Fに集中して作業を行いました。作業方法は豪快にチェンソーで不必要な材をバンバンと切り取っていきます。 1日中家の中でチェンソーを振り回しておりました。その結果ご覧のように、本来必要最小限の構造体が浮かんで参りました。これこそ建築物の美です。いつ見ても良いなあ。 こちらもすっきりとしました。余分なものはそぎ落とします。simple is best


・2010年11月29日・・・2Fの一部解体材の釘抜き

2Fの解体した木材の山です。比較的太目の釘が刺さっています。これらをお風呂の燃料にするので、釘を全て取り除きます。こんなことプロの解体屋さんは絶対にやりません。 今日は1日かかってこれだけの解体材から釘を抜くことが出来ました。まだ少し残ってしまっています。後日やります。 同じ作業をずっとやっていますと腰痛の原因になります。なのでたまには違う作業で、異なる筋肉を使わなければなりません。高所作業用タワーを組み立てて高いところに打ち付けられた釘などの撤去を行いました。 さらにタワーを使って棟木に縛ってあったワラ縄を外したのがこれ。何のためにこのワラ縄が巻きつけられていたのだろうか?外しちゃって良かったのかな?


・2010年11月30日・・・2Fの一部解体材の釘抜き

前回残ってしまった分です。早速これらの釘を抜きます。中にはひどく錆び付いて抜けずに頭だけ取れてしまうものもあります。 2Fの電気配線を外したもの。古いケーブルは曲げるとポキポキ折れてしまうものもありました。これらもリサイクル業者に渡します。もう一度生まれ変わるんだよ。 半日ほどでようやく釘抜き作業が終了しました。ご覧のとおり解体材は無くなりました。FERMEは少しずつ、少しずつ作業は続き、日進月歩で完成に近づいています。 本日の後半は2Fの梁の埃落とし(煤払い)をやってみました。相当な数がありますので何日か、かかりそうです。2Fは天井材が貼っていなくて屋根天井になっております。従いましてかなりの高さがありますので、高所作業用タワーを組み立て、柄の長いホウキでまずは埃や煤を落とします。

気を失いそうなゴミは徐々に減ってきました。家もその当時の姿になってきました。冬シーズンは雪で作業が不可能なため、机上の作業に専念しました。具体的には間取りの詰めと使用する材料の吟味です。そして昼間はスキー、スノボに専念してこれからの再生への激務のために充電致しました。作業は来春から再開致します。どうぞまた見てやって下さいね。



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