2011年 敷地のゴミ拾いと古民家の解体作業、そして再生の年
4月〜8月の作業

8月31日御宿泊を持ちましてびすとろまほうの家の営業終了
5月中旬から大工さんにお願いしました


・2011年4月4日・・・ダイニングに入れる薪ストーブ(小諸市)と、ダイニングチェア(御代田町)の打ち合わせ


・2011年4月8日・・・台所用シンクの運搬と庭のゴミ拾い

業務用のシンクを手に入れたのできれいに磨きトラックに積み込みます。錆び取りはバイク用のを使用。磨けばピカピカ。 スペースを無駄にはしません。運べるものは運びます。シンクの棚部分にスノーボードを括り付けました。シンクとスノーボード、こんな画まず無いですよね。 雪融け後の久しぶりの作業です。何と庭にたくさんの福寿草が咲いていました。僕達を待っていてくれたのかな。ちょうど満開です。こぼれ種であちこちに咲いていました。 今日は暖かい日でしたので、庭でキャンプ気分でお昼ご飯を食べました。庭のゴミは拾い続けていますが、まだまだあります。初めと比べれば全く少なくなりましたけどね。


・2011年4月11日・・・1F西側天井の解体と建具の清掃、庭の割れ瓦拾いとゴミ拾い

この冬お世話になったたくさんの冬遊び用の道具を運びます。もうここで使うことはありません。 気がついたらボードもこんなにありました。ついついたまってしまうものなんですね。 1F西側通路の天井の後からリフォームした部分を解体致しました。そしたらこんなにすっきり!解体材はびすとろまほうの家でお風呂の燃料になります。 埃まみれの多くの建具を一つ一つきれいに掃除します。良く見ますと昔の建具はベニアなど一つも使っていない手の込んだものです。素晴らしい職人の作品です。
裏庭にたくさんの割れた瓦が捨てられています。その上をもう何十年も草が生え、枯れてはまた生えてを繰り返し、たくさんあるのにあまり見えなくなってしまっています。ここも一見するとそんなにあるように見えませんね。 ところがいざ拾い出すと出てくる出てくる。この一輪車で今日だけでも20杯くらいありました。まだ終わりではありません。残りは後日作業します。 一日で積み上げられた割れ瓦。しかしこれどうしようかなあ。何か有効利用できませんか。小さく割って砂利的に・・・。どなたかアイディアお願い致します。


・2011年4月20日・・・1F天井材の片付けと床板の一部剥がし

天井材を剥がしたら下地に写真のような板が更に出てきました。派手に剥がして床に落としています。 床に散乱してしまっていますので、片付けました。長い月日の埃や汚れが一気に床に散らばっている状態です。大切な私達の城になるのでまめに綺麗にしながら作業したいです。 昭和の時代になってから貼られたと思われる合板の床を試しに剥がしてみました。明治の新築時は土間(台所)だったところです。何十年ぶりかで光が当たった土間の土。そこにあったものは?・・・。


・2011年4月26日・・・1Fと2Fの床清掃と庭のゴミ拾い

2Fの床です。今まで解体や埃払いなどで床の上はとても室内とは思えないものがありました。壁や間仕切りなどを取り払い、間取りをイメージして今度は創っていく段階で、あまりに汚れていますと次のイメージが沸いてきにくいことが今日わかりました。 ここも2Fの床です。2Fでは養蚕をしていたらしく、蚕の繭も所々に落ちていたり、また壁に付いていたりしています。次のステップに行くため、区切りとして軽く清掃を行いました。 これは1Fの床です。明らかに汚れているところだけ清掃しました。 建物が広いので掃除はとても大変です。今から思いやられます。それなりに綺麗になりました。するとどうでしょう、最終的な間取りの詰めがスルスルと可能になった気がしました。うん、良いぞ!
ゴミがあるのは建物の中だけではありません。庭にもまだまだあります。今日もせっせとゴミ拾いです。一体この作業は終わりがあるのでしょうか?ふと不安になってきます。枯れ草の中からのぞいている割れた瓦や空缶などなど。 ゴミは分別して処分します。瓦は重いので一輪車で運びます。 そんな時庭先に楚々と咲いているムスカリが心をほぐしてくれます。いつ植えたのか知りませんが、毎年毎年規則正しく、人に見られていなくても咲いているんだろうなあ。君達は偉いなあ。 庭はゴミだらけだがそんなのお構い無しに精一杯咲くんだねえ。君達を見習わなければならないね。コツコツと、立ち止まらずにマイペースで歩いていこう。


・2011年5月8日・・・庭のゴミ拾いと木の選定

敷地内には割れた古い瓦が悲しいほど転がっています。屋根を葺き替えた時に処分せずまた何かに使えると思ったのでしょう。一輪車で何十杯運んだか。一応割れた瓦と自然石とコンクリート片とに分けて積んでいます。 もう何年も剪定されていない枝をざっと剪定しました。すると何だかとっても庭が生き生きとしてきたように思います。 押入れの上の段にまだ処分すべきものが残っていました。見るとここの売主さんだった方の小学生の時のノート等でした。捨てさせて頂きました。 GWでしばらく行けてなかったので、久しぶりに行ったら庭がタンポポだらけでした。それはそれで綺麗でしたが、すべて西洋タンポポでした。日本古来のタンポポは今となってはほとんど見かけません。


・2011年5月13日・・・庭の草刈

前回行った時にそろそろ草刈だな、と思いましたので早速今日は作業します。 きれいに刈られすっきりとした庭。 将来薪小屋を設置する予定の場所も綺麗に。 家の周りをぐるりと作業するだけでも1日かかってしまいます。

・2011年5月15日・・・家の中の掃き掃除

車山とは標高が違いますのでライラックがもう咲いていました。庭がとても良い匂いに包まれていました。 今度の冬以降に使う薪も少しずつ集めています。 解体するとゴミが出ます。ほこりが出ます。一度全体にほうきで掃いて綺麗にしました。家作りって半分は掃除の時間なのだとつくづく思いました。 子供の頃入ってはいけなかった奥座敷も掃除しました。


・2011年5月16日・・・床板の解体、土壁の解体

床板が取り外され、何十年ぶりかで日が当たった床下の土。北側の部屋ですが湿気てなくとても乾いていました。木造住宅では大切なことで、湿気るとシロアリが住みつきます。土台もしっかり乾いていて、木が生き生きしていました。 この家にはたくさんの囲炉裏がありますが、床板を剥がすとこんな風になっています。石をくりぬき、周りを土で塗って製作されています。 床板を支える根太材はみな太さが異なっていて、サイズに合わせて大引きの仕口をひとつひとつ加工してあります。現在では真四角の材料なのでこんな手間は必要ありませんが、それにしても昔の大工さんって時間と手間は惜しまずかけたんですね。タ○ホームさんとは正反対。 大黒柱とその礎石。石と柱が動かないようにホゾで組まれているようです。大黒を支える石だけあって、とても大きな石です。現在ではコンクリートの上に土台を回しますが、石とコンクリートでは石の方が長寿命ですね。


・2011年5月17日・・・床板の解体、土壁の解体

間取りの変更で壊さなければならない土壁があります。現代では貴重な土壁ですが、一部解体です。土を取り除くとこのように小舞(こまい)が出てきます。小舞には木材と竹と葦が使われておりました。 昔の家は本当に近くにある材料のみで作られていたんだと改めて思いました。もちろんすべて自然素材で。 奥座敷の床を取り除いたところです。掃き出し窓からの視界がまるで絵のようでした。ここは両親の部屋となります。 夕方太陽光線が室内に入ってきました。床板や根太を取り除き、100年ぶりに床下の土に光があたりました。家の気持ちとしてはどんなものなのでしょうか?
2Fの欄間部分の土壁も取り除かれました。解体した後の掃除も大変なものです。古民家いじるのってエネルギー要るなー。 2年前から庭のゴミをせっせと拾っては捨てていますが、まだまだあります。今日も少し拾いました。ついでに庭木の剪定もやりました。同じ作業をずっとやっていますと頭が悶々としてきます。良い感じになってきたでしょ。でもまだこの画像の右下にたくさんの瓦が埋まっていますね。 敷地のあちこちに手では持てない重い石が結構転がっています。どうにかして移動せねばと考えていましたが、こんな道具を作りました。台の上に石を転がして載せ、キャスターで転がします。タイヤの取り付け位置に改善の余地ありますが、概ね良好でした。 毎回大量の解体材が出ますのでせっせと車山に運び、灯油、ガス、電気に代るエネルギーの一部として使います。ただ、重いものを載せて山を登るのはしんどい。


・2011年5月20日・・・床板、根太、大引きの解体と土壁の一部解体

古民家では大概柱にヨロビ(傾き)が出ています。古民家再生ではこれを真っ直ぐ(垂直)に戻してやらなければなりません。プロである大工さんがジャッキなどを使って修正にかかりました。 相当頑丈に骨組みが組まれているようで、通常の方法ではびくともしないそうです。大工さんは「困った!」とおっしゃっていました。もともと凄い骨組みを得意としている大工さんをしても、相当の難題とのことです。 ヨロビ直しと平行して、さらに床板がどんどん剥がされて、床下の土があらわになってきました。ここは南側の縁側だったところですが、ご覧のとおり床板、根太すべて撤去されました。 たくさんの座敷だったところもすべて床板が撤去されようとしております。庭には相当の撤去材が積まれています。合板は一切無くすべて無垢の板材です。今購入したらとんでもない高価なものです。きれいなものは何かに使おうと、五右衛門風呂の燃料とせずに保管しておきます。
西側の通路部分も床を全て剥がし、地面が出てきました。100年ぶりに太陽光を浴びた土。 床下は現在のようにコンクリート基礎ではなく、大きな自然石を使っておりました。石を地面に設置する前に、地業といって地面を徹底的に叩いて固め、その上に礎石をまわしたのです。この画像も2番目の大黒柱を大きな石が支えています。何人がかりでこの石を設置したのかなあ。 たくさんある石のうちいくつかはこの様に石の根本に穴が掘られています。この穴は野生動物の掘った穴でしょう。その証拠に床下にはあちらこちらに動物の骨が転がっておりました(恐い)。小さいものではネズミから、イタチ、カラス、大きいものは・・・、止めときましょう。ご興味のある方は私に直接聞いてね。すべてしっかりと供養して丁重に処分させて頂きました。 昔はどうやら建築材料を大切に使いまわししていたようです。この画像のように大引きにホゾが切ってありました。おそらくこれは以前は柱だったのでしょう。貧しい時代は貴重な資源をとても大切に、工夫して使って生活していたのでしょう。今のように安いからといって途上国からガンガン買うのはどうなのでしょう?


・2011年5月21日・・・根太、大引きの解体と土壁の一部解体と庭のゴミ拾い

この道具がヨロビを調べるものです。 下げ振りといいまして、柱の上から重りを下げて柱の垂直に対するズレ(ヨロビ)を見るものです。 鉄柱やワイヤーをラチェットで引っ張る様々な道具を使用してもこの柱はびくともしないようです。長い年月の間仕口もびしっと固定してしまっているのでしょう。逆に言うとそれだけ骨組み筐体構造が頑丈であるという事なのでしょう。良いのか悪いのか・・・?。 南側の窓枠(アルミサッシ)はすべて取り外されました。すると何とこんなに大きな開口が。古民家って壁が極めて少なく、ほとんど柱だけで、その間をたくさんの建具がはめられていたのです。まさしく「家の作りようは夏を旨とすべし」という、吉田兼好の教えを忠実に守っていたのですね。
玄関周りも扉や壁が取り払われ、涼しげです。さあ、この家の顔である玄関が今後どの様に変わっていくか、どうぞお楽しみに! 庭にはまだまだゴミの山。よくもまあこんなにも捨てられたもんです。大きいものばかりなら拾いやすいのですが、小さなものもたくさん出てきますので厄介です。この作業はしばらくやっていると本当に嫌になります。そんな時はすぐに別の作業に切り替えて頭の中をリフレッシュします。 庭のいろんなところから割れた瓦がザクザクと出てきます。こんなにも溜まりました。これが小判だったら・・・。いや、山の田舎のシンプルライフにはそんなものは必要ありません(背伸び)。 庭や床下から出てきたゴミの一部。今回もこれだけ出ました。後何回捨てればいいの?


・2011年5月22日・・・床下のゴミ拾い

ようやく昨日に仮設電源が入りました。上田市の業者に頼みました。 床板を剥がすと色々なゴミが出てきました。これはグラスウールの切れっ端。他にはビニール類、ビン類、缶類、木っ端、新聞紙、そして・・・。ゴミが近くにあるのは許せないのですべて綺麗に撤去しました。 床板を剥がし、根太を取り除けばそこは地面です。コンクリート基礎に対して自然石の礎石同士は、物理的につながっていないので不動沈下を起こしやすいのです。でも大工さんのお話ですとこの家の基礎は今まで見たことの無い、沈み込みの無いしっかりとしたものであるとの事です。ちょっと嬉しくなりました。 今日も出た廃材を車山に運びます。そしてお風呂などの燃料となります。ゴミ焼却場で一生を終えるのではなく、もう一度役目を果たして、そして安らかにお休み下さい。


・2011年5月25日・・・根太、大引きの撤去と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

ここは実は家の中です。床板とその構造材である根太、大引きをすべて取り外すとこんな風になります。残っているのは基礎になっている自然石のみ。ところどころに柱があるのみで、それでこの重い家を支えています。現代の基準の耐震性にするため、構造材を増やします。 つい最近までここに囲炉裏がありましたが、壊したところです。転がっている石は囲炉裏だった材料です。土で石を繋いで囲炉裏を形成していました。長年使われたであろう暖房器具が一瞬にしてこのように元の姿に戻るんですね。これぞエコです。 玄関土間から見たダイニング(になる予定)とリビング(になる予定)と両親の部屋(になる予定)。今はご覧のとおり石があるだけ!繰り返しますがここは家の中です。 2Fの構造材である柱や梁などを、長年の埃や煤や汚れからきれいに清掃を始めました。方法が今一解らないので、色々と試してみました。まずほうきで掃いて雑巾で拭く。でもこの方法ではあっという間に雑巾が真っ黒で、水がいくらあっても足りません。うまい方法を考えねば。


・2011年5月26日・・・2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

清掃前の状態。梁の上側がうっすらと白くなっていますが、これは長年積もった埃です。また全体的に赤黒いのは煤です。これを今から手できれいに一つ一つ磨いていきます。さて、どんな方法が良いのやら。古民家を異なる場所に移築する場合は、一旦分解してから材料を1本1本ジェットシャワーでダイナミックに洗っている写真を見たことがあります。 古民家再生を手がけている工務店に、清掃方法を以前それとなく聞いたことがあります。ところが答えは様々で、「埃だけ払って黒色のラッカーを塗る」という簡素なものから、「専用の溶剤を作り、化学反応させて汚れを取り除いてからその建物に合う独自の色を作り塗装する」と手の込んだものまで。薬品は企業秘密とのことで教えてもらえませんでした。 解体材が結構たまりましたので太いものは車山に持って行かずにここに置いていきます。薪小屋などの材料になりますし、薪にもなります。 山のようにありました解体材は作業に来る度に持ち運んでおりましたので、ご覧のとおり取りあえずの現場のはほとんど無くなりました。


・2011年5月31日・・・2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

色々な方法を試し、取りあえず「良いかな」という方法を見つけました。まずタワシで表面に付いた埃や土、煤を擦って取り除きます。次に濃度を薄くした洗剤で、やはりタワシで豪快に洗います。最後に雑巾でふき取ります。これをすることで見た目がかなり変わります。 とは言うものの、清掃すべき木材は非常にたくさんあります。2Fだけでもこれをするだけで何日もかかります。でもやるしかありません。ひたすら擦り続けます。 2Fの構造材の清掃と平行して、そろそろ部分的な基礎工事を行います。大工さんが小型のユンボーを持ってきました。低騒音タイプだそうです。私も運転できるようになりたいな。何でも1時間で慣れるそうです。 基礎工事に欠かせない鉄筋も運ばれてきました。新築ですとまずは基礎工事ですが、古民家再生となりますと手順は異なり、臨機応変な対応が要求されます。


・2011年6月1日・・・2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

雑巾掛けまで済んだ梁。何となく綺麗なのが解りますでしょうか?まだ多少濡れている状態ですので余計綺麗に見えます。 この曲がった力強い梁も、磨いてあげることで生き返ったようです。凄く若返ったような気がします。建物は喜んでくれているでしょうか。こっちまで嬉しくなってしまいます。 この部分は大正時代にリフォームされたそうですが、それでも100年近く前の施工です。立派に年月を生き抜いています。 真ん中の太い梁の左が清掃済みで、右がこれから清掃するところです。違いが明らかでしょう。


・2011年6月3日・・・大引き(お客様エリア)の設置

古い床の構造体が全て取り除かれて、束石と地面しか見えなかったところに、ついに大引き材が入りました。100年前の古い家に、新しい木材がとうとう組み込まれました。解体ばかりしていましたので、感動の一瞬でした。 何だかとても頼もしく見えました。夕日に新しい大引きがとても眩しく映えました。これから多くのお客様を支えていくという使命感があります。 今日も解体材や剪定枝を積んで車山に帰ります。現場は整理されて美しくないとね。 一旦片付いたと思われましたがまた更に解体材が出ました。が、ご覧のとおりまたきれいになりました。


・2011年6月5日・・・庭の手入れと草刈

かみさんはせっせと雑草を抜いたり庭のゴミを拾ったりしています。 大工さんなど職人さんに気持ちよく作業をして頂くためにも、敷地内の草はまめに刈り取らねば。画像右の方にあった解体材も再利用のため、片付けてまとめてストックしています。 ついに大引きの上に柱が立ちました。解体していく一方だった我家も、いよいよ創り始めます。 1Fの骨組み耐震補強木材工事と並行して2Fの構造体の清掃もやっております。ついに2間分清掃致しました。結構きれいになりましたでしょう?


・2011年6月6日・・・基礎工事開始と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

小型のユンボーが入り、地面を掘り始めました。新築工事ですと何も無いところにまずこの作業が行われますが、今回は家の中に重機が入っての作業です。 2Fでは昔養蚕をやっていたため、この様に新聞紙がいたる所に貼ってあり、それは家として見苦しいものです。地道に剥がしてゆかねばなりません。根気だけの作業です。 手順を確立するため色々な方法をやってみて効果的な手法を見つけました。スポンジに水を含ませ新聞紙が貼られている所にペタペタとつけます。少し時間を置いてへらで剥がし始めます。するとご覧のとおりきれいに剥がれます。床には剥がされた古新聞が散乱しています。 手の届くところの構造材全てに新聞紙が貼られておりましたが、作業後はご覧のとおりきれいに剥がれて見違える様になってしまいました。とっても嬉しい瞬間です!まだまだ作業すべき箇所はたくさんありますが、この調子で頑張るぞ!


・2011年6月7日・・・基礎工事と根太の工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

基礎工事は何箇所か部分的に布基礎を施します。自然石の礎石が想像以上にしっかりしているとのことで、基本的には昔のままの方法で施工します。写真は捨てコンを打つ前の状態で、既に鉄筋がセットされました。基礎屋さんはとても面白いおじさんで、いつも皆を笑わせてくれます。その間私は2Fでせっせとタワシ・雑巾と格闘して、身体中土と煤で真っ黒になりながら構造材の清掃をしています。 一番奥の部屋には根太が施工されました。ヒノキの自然乾燥材です。根太の下の大引きはカラマツの自然乾燥材です。大工の親方は人工乾燥材を決して使いません。人工乾燥させますと木材の強度がまるっきり違ってしまうらしいです。本当に納得のいく事しかしない、家作りには頑固なほどの信念を持つ素晴らしい親方です。 元々入っていた赤松の根太も一部再利用しました。高さ調整のため少し削ったところ、切り口は非常にきれいで力強い状態を保っており、木の寿命ってすごいなあと改めて思いました。後100年は軽くいけるのではないでしょうか。コンクリート60年、木材500年?。法隆寺のヒノキは1000年以上経ってもカンナをかけるとあの匂いがプーンとするそうです。 現在外壁はサイディングが貼ってあるのですが、その下はこんな土壁でした。漆喰は施工してありませんでした。比較的雨が少ないところだからというのも理由のひとつかもしれません。私達は外壁も無垢の板仕上げが好きです。びすとろまほうの家も無垢板の下見張りです。サイディングは好みません。


・2011年6月9日・・・プライベート部分五右衛門風呂の基礎工事打ち合わせ

ここが自分達のお風呂(五右衛門風呂)がくる所です。家をぐるりと取り囲んでいる四半石の存在が、五右衛門風呂の設置高さを制限してしまいます。ああだこうだで、一応一件落着しました。この日は昼過ぎにしか現場に行けなかったので、この打ち合わせのみの作業となりました。


・2011年6月10日・・・基礎工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

基礎の捨てコン部分を打つため、初めてミキサー車が入ってきました。とうとうここまで来たか、とちょっと感動。一輪車でコンクリートをひたすら何往復もして運びます。 基礎屋さんがバイブレータという電動工具で隙間無くコンクリートを型枠に詰めていきます。 捨てコンを打ち終わった状態です。この上に鉄筋が見えますが、今度はここに布基礎が立ち上がります。お寺などを手がける宮大工さんはコンクリートをなるべく使いたくないそうです。なぜなら木に良くないし、寿命が短いそうです。でも現在の住宅事情はコンクリートがないと始まりませんね。 1F部分は少しずつ柱が立ち始めました。柱は自然乾燥のヒノキです。元々このあたりはヒノキを育てていなかったようで、柱はケヤキと赤松のみでした。トラックなんか無い時代でしたので、近くの山で伐採したものを材料にしていたからです。
庭にこれから使われるヒノキの根太が新たに積み込まれました。荷重がかかる構造材ですのですべて芯持ち材です。 私といえばしばらくは2Fの構造材の清掃を続けています。養蚕のためかあちらこちらに新聞紙が貼られていましたので、これを剥がすだけでも一苦労です。でもやっているうちに要領を覚えてきました。こんなことするのも今だけだと思って頑張っています。 2Fのフロアー面積は約50坪ありますので、本当に根気の必要な作業です。いい加減に飽きてまいりました。庭のゴミを拾い続けたり、柱などの新聞を剥がしたり・・・ブツブツ。たまにはグチも出ます。ああ、腰が痛い。 玄関向かって右側の屋根はかなり古く、土で固定されているだけです。屋根屋さんによりますと新しいものに葺き替えた方が良いとのこと。うーっ、やっぱりダメだったか。また費用がかかってしまう。シュン(涙)。


・2011年6月12日・・・敷地内の草刈

昨日はこの時期にしては珍しく満室でしたので、本日の作業はほとんど夕方からでした。それにしても毎日慌しいなー。 プロの大工さんが少しでも気持ちよく作業できるように、気合を入れて刈りました。裏庭もバッチリ。 カラマツで作った鹿の親子の足元もすっきり。気持ちよくなったかい? 梅の実がつき始めました。今年はちゃんと収穫しようかな。荒れてたこの庭もかなり片付いて、ようやく人に見せられるようになってきました。


・2011年6月13日・・・庭の手入れと基礎工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

庭の手入れは現在かみさんの担当。まずは庭に捨ててある大量のゴミを拾い、雑草を徹底的に抜き、好きな山野草などを植えつけます。2年かかってようやくここまできました。 雑草に隠れてこのギボウシは全く見えませんでしたが、ご覧のとおりすっきりしました。一体何年間手入れされていなかったのでしょうか。 捨てコンが打たれた基礎。今度はこの上にまた型枠が組まれ、布基礎が形作られます。今日は捨てコンの上に布基礎の寸法を墨つけしていました。 夕方設備屋さんが来て、給水、排水の打ち合わせを行いました。また、太陽熱を利用した温水器の打ち合わせも行いました。ここ東御市は茅野市より更に晴天率が高いので利用価値大です。


・2011年6月14日・・・玄関デザインの検討

実は玄関のデザインがまだ決定しておりません。純和風でなく、玄関は思い切って石を積み、馬小屋のような大きなドアにしようか、などとかみさんと話し合い。この建物は茅野市にある別荘を撮影させて頂いたものです。 本日は軽井沢で食品業者の展示会があり、その帰りに立ち寄ってみました。この別荘は外観は上品な和風住宅です。貫構造で漆喰仕上げされています。ところが・・・。 玄関は少し洋の香りがします。茶色の板部分は大戸で大きく手前に開きます。チョウバンを使ったドアなのです。その大戸に普段の出入り用に小さな引き戸が付いているのです。こんなのもいいかなと思います。


・2011年6月15日・・・基礎工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

捨てコンの上に更に型枠が組まれ、コンクリートを流し込む準備が整いました。 書籍などでは見たことありますが、間近でこんなにじっくりと見たのは初めてです。出来てしまえばただのコンクリートのブロックですが、こんなにも丁寧で手間のかかる作業があるなんて知りませんでした。 私といえばまた今日も構造材磨きです。まず乾いたタワシとほうきで土埃やゴミ、汚れを取り除き、次に薄い洗剤をつけたタワシで擦り、仕上げにきつく絞った雑巾で拭き取るというルーチン。この高所作業用タワーに登って作業します。2Fの屋根裏は結構高いのです。気を許すと落ちそうになります。 外壁を貼り始めました。杉の無垢板です。希望は焼杉板でしたが諦めました。柿渋に弁柄(ベンガラ)と松煙(ショウエン)を混ぜてオリジナル色の塗料を創って塗ります。


・2011年6月17日・・・庭の手入れと基礎工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

ミキサー車再登場。今日は捨てコンの上に布基礎を打ちます。あ、この前のおじさんだ。 基礎屋さんがバイブレータでコンクリートを隅々まで行き渡らせます。 私は相変わらず2F構造材磨きです。さすがに使っているタワシが磨り減り、半分くらいの厚さになってしまいました。もう交換せねば。いかにゴシゴシを繰り返しているか、ですね。おかげで腰が痛いし、腕もだるい。この部屋の構造材は前の部屋のそれよりもより黒っぽいことがお解り頂けましたでしょうか。部屋によって囲炉裏での燻され方が異なっています。 雑草を抜いたところに山から持ってきた山野草を植えつけました。毎回毎回コツコツとやっています。


・2011年6月18日・・・弁柄(ベンガラ)と松煙(ショウエン)

左が弁柄(酸化鉄)で右が松煙(松の煤)です。いずれも昔から使われている自然素材です。畑にイチゴを収穫に行った際についでに購入。柿渋にこれらを混ぜて使いますが、柿渋は在庫が無く注文してきました。


・2011年6月19日・・・庭の手入れと2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃と割れ瓦の敷き詰め

道路側の敷地を耕し始めました。このエリアからキッチンガーデンがスタート致します。ここが我々の原点です!果たしてどうなることやら。 まずは記念樹を、ということでヤマブキを植えました。びすとろまほうの家の庭で増えたものです。びすとろまほうの家の子供達はすでにここにも根付き始めました。 敷地内のあらゆるところから出てきた割れた瓦。処分するのは大変ですし、どうしようか。そうだ、小さく割って砂利のようにして床下に敷こう。 割れ瓦の山から一輪車で床下に運びます。
床下はベタ基礎ではないので、割れた瓦をびっしりと敷き詰めます。瓦を床下に置いてからハンマーで細かく割っていきます。根気の要る作業だろうな、と思いきや、以外に簡単に割れ作業は順調にはかどります。うーん、結構楽しい!得した気分! 調子に乗って「ホイサ、ホイサ」と瓦を運び、バシバシ割っていきます。瓦は片付くし床下はこの様に何か良い感じだし。これはヒットかも! 今日は半日この作業に没頭しました。根太から覗く小さく割られた瓦。良い感じでしょ。床下に湿気防止で備長炭を敷き詰めるケースが現在ありますし、昔は河原の丸い石を敷き詰めたケースもあったようです。 そしてまた2F構造材の磨きは今日も続きます。この磨きは今日でついに2Fの約半分近く終了したことになります。明日からも頑張って続きをやるとしよう。一番初めの部屋の構造材に比べより煤けて、梁はほとんど黒っぽくなってしまっております。部屋によって煤け方が異なったのでしょう。スピードは決して早くはありませんが、着実にこの家は蘇りつつあります。


・2011年6月20日・・・庭の手入れと基礎工事と設備工事と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

布基礎の中は排水用の配管が通りました。更にその上に鉄筋を渡し、この上にコンクリートを打ちます。コンクリート仕事は基礎屋さんで、配管は設備屋さんの仕事分担です。設備屋さんは地元東御市です。 洗い場の排水用配管口です。写真はありませんが、本日も庭の手入れと2Fの構造材の磨きの作業をやりました。


・2011年6月22日・・・大引き、根太の設置と外壁塗装と電気配線と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

まずは東側の外壁を1回目塗装します。塗るのは柿渋+弁柄+松煙を調合したものです。外壁はキシラデコールが一般的ですが、あえて昔の自然素材にしてみました。 左の写真が塗装前で、この写真が塗装後です。柿渋塗料は何度も重ね塗りするものですので、乾いたら後日2回目を塗る予定です。更に濃くなると思います。 排水の配管はモルタルで埋められました。ここはプライベートのお風呂になるところです。もちろん五右衛門風呂です。今回は五右衛門風呂の釜はセルフビルドする予定です。楽しみだなー。 ここは両親のお風呂が来る場所です。給湯と給水の配管が出ています。
ここは旅館部分のトイレ、洗面、脱衣場とお風呂が来るところです。地面しか見えなかったですが、大引きが据えられました。少しずつ形になってきていますね。ほとんど裸の状態からだんだんと出来上がっていくのってウキウキしますね。 今日から電気配線の工事が開始されました。作業担当は車山高原のペンションオーナーの岡村さん(ペンションアトリエ)です。さあ、頑張っていこう! 岡村さんはサラリーマン時代はビル管理の仕事をやっていましたので、電気配線はお茶の子さいさいです。まずは電気ケーブルを400m購入してきました。長さは陸上トラック1周分です。よろしくお願い致します。 私は外壁塗装の後はいつもの構造材磨きです。毎日毎日せっせと磨いております。高所なので疲労がたまりついうっかりと足を踏み外して怪我などしそうです。自営業は体が資本!気をつけます。


・2011年6月23日・・・大引き、根太の設置と電気配線と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃

大きな家なので作業はその分かかります。大変ですが終わりはあります。もう少しの辛抱です。今日はタワシで梁などをひたすら洗いました。 旅館部分のトイレ、洗面部分に根太が入りました。根太が入ると一気に部屋らしくなりますね。根太は芯持ちの75mmの高さのヒノキで、1尺ピッチで据えられています。何と贅沢な! ここは旅館部分の寝室です。ここにも根太が入りました。 そして厨房にも大引きがまわされました。足回りがどんどんと出来ていきます。日に日に進んで、心地よいです。


・2011年6月24日・・・大引きの設置と電気配線と2Fの構造材(梁、柱、束など)の清掃と外壁塗装

東側外壁塗装の2回目です。2回目はかみさんが作業しています。左から右へと塗っておりますが、2回目は色が濃くなっていることがお解り頂けますでしょうか。塗料は1回目と同じ、柿渋+弁柄+松煙です。うーん、良い感じです。狙い通りです。 プライベート部分もようやく大引きが入りました。これで1Fのほとんどのエリアに大引きが入ることになります。これで土俵でなく家になってきました。 左から大工親方、電気屋さん(岡村さん)、大工さん(女性)、大工さんそしてかみさん。とっても楽しいメンバーです。全員が長野県以外の出身です。名づけて「チーム古民家」? 薪ストーブの煙突もイギリスより到着です。
電気配線も着々と行われています。普通の家と比べ、フロアー面積が多い分コンセントの数だけでも数倍なので作業は困難を極めます。 早い時点で前からあった階段は撤去されていましたので、2Fへの行き来は脚立で行っています。水をたっぷり入れたバケツを持って2Fに行くのはそれなりに大変です。今日は床の上に置いてある木材にバケツを当ててしまい、床に水をばら撒いてしまいました。 本日でようやく構造材の清掃(磨き)が一段落致しました。残っているのは瓦を葺き替える部分だけとなりました。今日はお天気がいいので写真の写りも良いです。 洗剤をつけてタワシで徹底的に擦りましたので、いくつかタワシを擦り減らしてダメにしました。おかげでとてもきれいになり、清潔感が漂い始めました。


・2011年6月26日・・・庭の手入れと草刈と割れ瓦の敷き詰め

昨日軽井沢のピクチャレスクガーデン(ポールスミザー氏デザイン)で購入したマウンテンミントの苗を早速植えつけました。 びすとろまほうの家の敷地に、こぼれ種で出たミズバラの20cm程の苗も植えてみました。ちゃんとつくでしょうか。 どっさりあった割れた瓦の山が見事に無くなりました。すべて床下に敷き詰めました。さらにそれだけでは足りませんので、割れていない取っておいた瓦も使ってどんどん敷き詰めています。 割れていない瓦は床下にひいてからハンマーで細かく割ります。こうすることで床下環境がbetterになる事を期待しています。


・2011年6月27日・・・屋根瓦の葺き替えと庭の手入れと割れ瓦の敷き詰め

古い屋根瓦が降ろされ、それを固定していた土もきれいに剥がされ、昔の野地板が現れました。その野地板に合板を取り付けてルーフィングという防水の為のシートを貼り、瓦を引っ掛けるための角材を取り付けます。今日の作業はここまでです。明日は瓦が載ると思います。 天窓(左)と薪ストーブの煙突(右)です。瓦を葺く前に取り付けます。天窓はデンマーク製、煙突はイギリス製です。この煙突はプライベートのストーブ用です。同じものが旅館部分にも採用予定です。 今日は屋根屋さんが作業されていましたので、私達は少し建物から離れていなければならず、庭の手入れを行いました。これは剪定した枝をある長さで切って束ねたものです。ストーブやお風呂の焚き付け材として使います。 屋根屋さんが帰られてからようやく作業開始です。昨日の続きの割れ瓦を床下に敷き詰めました。今日でほとんど瓦を使い果たしてしまいました。


・2011年6月28日・・・屋根瓦の葺き替えと大引きの設置と電気配線と薪小屋の製作

今日はいよいよ瓦が載ります。雨も上がり、絶好の瓦葺き日和です。欲を言えばこの日はちょっと気温が高すぎて、屋根屋さんは相当疲労しておりました。もうちょっと陰っても良かった。 南側は終了致しました。薪ストーブの煙突と天窓の雨仕舞いもしっかりと施工されているようです。瓦が替わるだけでも家の表情って変わるものですね。そうですよね、人間も髪型少し変えるだけでかなり違う人になることもありますよね。 厨房、プライベート部分にも大引き、柱が着々と入っています。基礎屋さん、設備屋さん、屋根屋さんが入ってきたので、大工さんも思い通りに作業し辛い部分もあるみたいです。なにせ大きな家なので「頑張って下さいね」としか言えないです。 新たに部屋の仕切り部分に新材の梁が渡されました。従来よりあった2Fの根太と見事に結合されました。宮大工のような見事なノミさばきの仕事ぶりを垣間見ることができます。さすが親方!機械によるプレカットが当たり前の時代に、ノミやカンナなどの道具を自在に使いこなす、まさに職人技です。


・2011年7月1日・・・屋根瓦の葺き替えと根太の設置と電気配線と薪小屋の製作

北側の屋根も無事葺き終わり、本日は棟の仕上げをやっています。望月の採石場でとれた優良な砂を使い、モルタルで丁寧に棟の細工をされていました。梅雨だというのに雨が降らず、強烈な太陽光線の中お疲れ様です。 棟の仕上げも終わり、屋根瓦の葺き替え作業の全てが本日を持って終了致しました。屋根の表情が一段と端正になり、息を吹き返したようです。眠っていた大きな生き物が様々な治療を受け、少しずつ魂を取り戻しているような、そんな気がしてなりません。家も生きているんだなあ。 プライベート部分の根太がついに入りました。ここもヒノキの心持ち材です。いい匂いがあたりに漂っています。これだけ広いフロア面積ですと相当量の木材が必要になってきます。 ここは厨房です。ここにも根太が設置され始めました。これで1Fのほとんどの床の根太が入ったことになります。屋根しかない土俵小屋から、もうすでに地面が見えなくなりつつあります。家になりつつあります。
庭も少しずつ変化してきています。以前小さな畑だったと思われるところに庭を創り始めました。人が歩くアプローチ部分をご覧の道具で突き固めてから、石を並べます。 今日はこれだけの石を運んで並べてみました。庭作りはまずは歩く道作りから。石はすべて敷地内から調達したものです。 一方で私は薪小屋作りを開始致しました。前回来た時に、使用する材料を今回の解体で出た材料から選んでおいたので、今日は組み立てからスタートです。まずは礎石となる石に、柱と礎石がずれないよう振動ドリルで穴を開けます。 柱の下端に鉄筋を打ち込み、礎石の穴に通します。これで柱はずれないでしょう。今日は柱が7本立ち、梁を一筋設置しました。柱が礎石にしっかりと固定されていますので安心です。


・2011年7月4日・・・窓枠の製作と電気配線と薪小屋の製作

サッシの枠が届きました。それにしても家を建てるときって本当にいろんな業者さんが関わるのですね。 サッシの枠を入れ始めました。写真は一番大きな開口の様子です。 電気配線も並行してやって頂いております。プライベート部分のコンセントの配線はほぼ終了です。 薪小屋は8本全ての柱が立ちました。桁も何本か入りました。夕方に雨が降ってきましたので、急遽薪小屋作りを中断し母屋の1Fの柱を磨き始めました。


・2011年7月5日・・・窓枠の製作と電気配線と庭の手入れと薪小屋の製作

サッシを入れるための下地作りです。1Fと2F同時にやっているため、これもかなりの作業量です。 庭を歩く祭のアプローチを創っています。とりあえずこんな感じでほぼ完成かな。 薪小屋作りも3日目を迎えました。そろそろ形にしないといけません。ピッチを上げて作業を進めます。途中でチェンソーの調子が悪くなり、かなりの時間を消費してしまいました。 キリのいいところまでやってしまいたかったので、日が傾いても作業を続けました。今日は日差しがとても強かったにもかかわらず、休憩無しで張り切っちゃいました。ポタポタ汗を流しながら作業をするのって結構気持ちいいのです。今日は梁、桁がすべて入りました。


・2011年7月6日・・・窓枠の製作と薪小屋の製作

北側の窓枠も徐々に入っています。昔の家は窓はほとんどが掃出し窓でしたので開口が大きいですが、窓を小さくした分、壁は増えます。夏は開口が大きい方が良く、冬は小さいほうが良いので兼ね合いが重要です。現に今私は屋外で作業していますが、家の中に入りますと冷房が効いているのかと思うほど涼しいのです。屋根が瓦、壁は土壁もかなり効いてはいますが。そよ風が抜けて心地良いのです。 2Fの北側も窓枠が入りました。家が大きい分窓の数も多くなります。この窓もかつてはご覧のとおり開口が大きかったですが(外側の黒くなっている部分)、思い切って小さくします(内側の囲まれた部分)。夏以外の季節の快適さも考慮した結果です。吉田兼好の言葉が気になりますが・・・。 薪小屋のほうは斜め材が入り始め、骨格としての強度を増す作業に入りました。今日も炎天下で屋外での作業はきつかったですが、たっぷりと水を飲みながらの仕事はまるでスポーツのようで、とても気分は良いです。スカッとしますね。 今日の作業はここまで出来上がりました。右に見える白い小屋はスチールの車庫(物置)でして、これを見えにくくする役割も薪小屋に期待しています。今のところ使っている木材はすべて母屋の解体から出てきたものです。新規に購入しているものは一切ありません。規格品を購入すれば製作は簡単ですが、全て薪で燃やしてしまうのではなく、今まで頑張ってきたヒト達だからこうして違う役割を担ってもらい、さらに生き延びてもらいたいものです。


・2011年7月8日・・・窓枠の製作と庭の手入れと薪小屋の製作

あらかじめ取り付けられた窓枠に、ガラス窓が入れられました。信州は寒いのでLow-Eガラスという高性能の断熱ペアガラスです。ここはお客さんのリビングスペースになる予定です。 水周りもLow-Eガラスです。 ここはお客さんの寝室になる予定です。ここにももちろんLow-Eガラスです。 2Fのトイレの窓を取り付けるために、既存の土壁を切り取っているところ。さっそうと施工をしているのは、美人大工の千晶さんです。きれいでおしゃれな女性ですが、道具を持つとプロの職人です。かっこいい!
ここにも庭に敷石をしました。敷地内に石がたくさん転がっていますので、有効に使います。 まだまだ小さなゴミが土の中に埋まっている庭です。雑草を抜きながら、ゴミを徹底的に除去しています。庭はかみさんの担当です。 薪小屋の製作も残すは屋根だけとなりました。本日の作業で斜め材をすべて入れ終わりました。何とか今日中にここまでやりたかったので、急いで作業しました。ここまできたらもう構造体としては非常に頑丈です。 基礎は古民家と同様の自然石の礎石です。ホームセンターで売られているコンクリートの束石は使用したくありませんでした。なるべく素朴な素材で作ってみたかったのです。


・2011年7月10日・・・庭の手入れと草刈と薪小屋の製作

庭のアプローチ作りに石を並べています。 ここにも小さな小路を作ってしまいました。庭をちょこちょこ歩けるように工夫しています。 車山と違って草の伸びるスピードが速い。まめに草刈も必要です。 薪小屋も残すは屋根だけと思っていましたが、壁の製作をすっかり忘れておりました。これでは薪を積んでも小屋の外に出てしまいます。草刈を終えてすぐに作業に取り掛かりました。おかげでこの作業も本日で終了致しました。オリみたいな壁が出来ました。


・2011年7月11日・・・窓枠の製作と庭の手入れと薪小屋の製作

窓枠周りの製作もほとんど出来てきました。 大きな家だけに窓の数も多くなってきます。 梅雨が明けてほっとしていましたが、夕方にバケツをひっくり返したようなどしゃ降りとなりました。外は真っ暗になり、灯りをつけての作業もちょっと良い感じでした。 昨日までの段階でまず柿渋塗装をしました。柿渋には外壁と同じベンガラと松煙を混ぜました。3リットル用意しましたがちょっと足りませんでした。次に屋根の為の垂木を切り出して取り付けました。写真では解り辛いですが、ここにある材料で作っていますので垂木は2分割されています。どしゃ降りとなりましたので今日の作業は終了。


・2011年7月13日・・・外壁の施工と庭の手入れと薪小屋の製作

今日から2Fの外壁貼りを開始です。窓枠の周りに透湿防水シートを貼り、外壁の下地を組んでいます。 あっという間に2Fの南側の外壁が貼られました。 プライベートエリアにも外壁が貼られました。まだ塗装前の状態です。 柿渋に弁柄、松煙を混ぜた塗料で外壁を塗っていきます。これはかみさんが塗った部分です。2度塗りする予定です。柿渋は塗れば塗るほど色が濃くなります。
西側の外壁の一部を塗ってご満悦のかみさん。 こちらは二人で薪小屋に柿渋を塗っています。 実際に屋根材を受ける部分の材料をあらかじめ柿渋で塗っておきます。 松煙が強いのか、かなり黒っぽいデザインとなりました。


・2011年7月14日・・・外壁の施工・塗装と薪小屋の製作

2Fの南側はほとんど外壁工事が終了致しました。 西側の外壁の様子。段々イメージしてたとおりの家になってきています。自然の中で決して目立たず、緑と調和する家を目指します。 なんと1Fの屋根に上り、2Fの外壁も色を塗り始めました。逞しい限りのかみさん。遠くから見るとまるで本物の塗装職人さんやんか。 ついに薪小屋が完成致しました。今日は屋根材を取り付けました。屋根材はフランス直輸入品とのことで、日本製とは質的には劣っておりちょっと苦労しましたが何とか無事に施工できました。


・2011年7月15日・・・外壁の施工と塗装と衛生設備の配管

2Fの外壁は杉板を貼ったところで、まだ未塗装です。このままでも問題ないのですが。 それが塗装をするとこうなります。塗料はやっぱり柿渋です。しっかり乾いてから2度目の塗りを実施します。その後は押さえ縁を取り付けます。 こちらはプライベート部分の壁です。本日の作業はこれら南側の壁のみならず、北側の2Fの壁も塗りました。1Fの下屋の屋根に脚立をかけて高いところを塗るので、少し恐かったです。高いところは苦手です。 配管工事も再開しました。こちらは地元東御市の業者さんです。


・2011年7月19日・・・外壁の施工と塗装と衛生設備の配管

2F北側も外壁が貼られましたので、早速柿渋塗装です。北側の1Fの屋根は南側よりも少し高いので塗り易かったです。写真は客室の洗面、トイレ部分。 2Fの南側の2回目の柿渋塗りの模様です。塗装は2回塗りします。塗るほど色は濃くなります。 日が暮れ始めたので今日の作業はここまで。ほんの少し残してしまった。右半分が2回塗りした部分で、左が1回塗りの部分。 私とかみさんが2回塗りしている間、大工さんは1Fの北側の部分の外壁貼りをしておりました。さすがプロ!速いもんです。


・2011年7月20日・・・外壁の施工と塗装と部屋の間仕切りと衛生設備の配管と2F天井裏の掃除

南側の1Fと2Fの外壁は2回塗り終了です。随分と黒くなりました。使った柿渋は現時点で約30リットルです。 2F北側も2回塗り終了です。これだけ塗っていますとさすがに慣れてきます。飲んでも害の無い塗料ですので、塗っている最中でも決して不快にはなりません。むしろ独特な良い匂いです。 換気扇を取り付ける場所の土壁を切り抜きました。 残りの外壁貼りと並行して室内の間仕切り壁の作成が始まりました。ここはお客様の寝室部分で、トイレ方向を見ています。


・2011年7月21日・・・外壁の施工と部屋の間仕切りと庭の手入れと2F天井裏の掃除

2度塗りが終わった西側外壁の様子。この後は縦桟が取り付きます。縦桟は塗装してから施工する予定です。24日にお客様を送り出してから現場に行き、2F用の縦桟を塗って大工さんに渡します。ああ忙し・・・。 こちらも2度塗りが終了した南側外壁の様子です。外壁ぐるりに縦桟が付けば外観はほぼ終了ということになります。その後は内装工事です。 かみさんも床や天井の掃除に塗装作業に、また本命の庭創りに大忙しです。でもとても楽しそうにやっております。 内装工事も徐々に進んでいます。作業が終わる頃は大概7時過ぎですので撮影しようとしても大抵はこんな画像になってしまいます。なるべく明るいうちに撮らねば。本日は私は2F天井裏の掃除と、残りの2F構造材の洗浄作業をやっていました。とにかく古い家は掃除、掃除、掃除です。おかげで鼻の中は真っ黒。帰って早く五右衛門風呂入りたいな。


・2011年7月24日・・・外壁材(縦桟)の塗装

一度貼った外壁の繋ぎ目に貼る木材です。左の状態を右の塗装済み状態にします。1面だけでなく3面塗りますのでちょっと面倒。しかも色の深みを出すため2度塗りします。お客様を送り出してから速攻で塗り始めました。天気予報では夕方から雨なので急がないといけません。2Fの外壁分全てですので相当の数です。明日から大工さんが使いますのでとにかく今日中に終わらせないと・・・。限られた作業期間を如何に有効に使うかがポイント。 まずはウマと呼ばれる作業台に材を並べてのせ、まとめて一気に塗りたくります。3面塗り乾いたら再度塗ります。完全に乾いてからまとめて並べておきます。今日はお昼からの作業ですが、材料は数百本あります。出来るんだろうか?作業中どこかの親子連れが騒ぎながらやって来て、(この忙しい時に何事なんだ?と思いながら)「何してるんですか?見ていいですか?」私は「何をでしょうか?」親子は「家」私は「どうぞご覧下さい」。つらーっと見たかと思ったら、何も言わずスーッといなくなってしまいました。 持ってきた塗料全て使い切ってしまいました。まだ塗れていない材料がありますが、2Fの分は何とか間に合いそうなので一安心しました。ご飯も食べず、トイレにも行けず、エンジン全開作業でしたので倒れるように疲れました。でも充実感が全身をみなぎっておりました。十分な時間が欲しいー。途中で依頼しておいたテレビのアンテナ屋さんが来て電波の計測を行ってくれました。送信元が美ヶ原でして、何も遮るものがないためか受信状態は非常に良好とのこと。またひとつ項目がクリア。 薪小屋の床の施工を半分だけ行いました。頂いた木製のパレットを少し加工して利用します。これでようやく薪小屋に薪が積めます!この冬から必要になりますのでね。日が落ちる前に作業終えることが出来て嬉しいです。帰宅途中で買出しをして、家路に向かいます。


・2011年7月29日・・・部屋の間仕切りと電気配線と外壁材(縦桟)の塗装と庭の手入れと薪小屋の製作

久しぶりの現場での作業です。そろそろもう来れなくなります。何だか残念。現場って非常に楽しいところです。一緒に作業して頂いている大工さん達の人柄が大いに影響しています。塗り残しの外壁材を柿渋塗装しています。 残りの材料をすべて塗り終えました。今日も良く晴れておりましたのですぐに乾きました。拡げて乾かしたらまとめて保管します。この縦桟を今の外壁に貼りますとどういうことになるかと言いますと・・・。 こういう表情に変わります。よくあるシンプルな手法ですが、これに黒っぽい色にすることでとても好きな光景のひとつになるんです。私は木って生えていた時のように縦に使うと何だかとても安心します。 部屋の間仕切りも随分と進んでまいりました。古民家独特のほとんど間仕切り無しの大空間の特長はなるべく生かしています。耐震工事で十分な壁強度を確保しつつ、そのような空間を創り上げるのは設計士であり親方でもある棟梁の腕の見せ所なのでしょう。
非常に良く働く大工さんたち(しかも良く食べる!)。玄関周りの柱の刻みをされているところです。この方達に任せておけば何の心配もありません。民家の伝統工法を守り続けて、家という本質を良く解っていらっしゃる、今時珍しい大工集団さんです。 電気工事も着々と進んでいます。工事をお願いしておりますのは何とペンションオーナーなんです。なのでお忙しいところを時間を工面して来て頂いております。テレビのための同軸ケーブル配線も1Fは終了です。 衛生設備配管もそうですが電気配線も目に見えないような施工をしますので、とても大変です。壁の中を通したり、床下を這わせたりと正に縁の下の力持ちです。 薪小屋の床は頂いたパレットをひきましたが、少し足りない部分がありましたので敷地内から出てきたコンクリートブロックや石ころを使って完成しました。これでようやく薪小屋が完成となりました。もうすぐに薪が積めます!次の作業日は8月2、3、4日です。楽しみです。


・2011年8月2日・・・部屋の間仕切りと床下地貼りと外壁材の塗装と敷地内の草刈

最低限の柱しかなかったところに間仕切りの為の柱が立ち、それに下地がつけられ間仕切壁となります。この先はさらにボードが取り付けられ、それに漆喰や珪藻土が塗られます。 床の下地の合板も貼られております。合板から出ていますのは給水、給湯、排水の管です。古民家改修ですがやっていることはほとんど新築工事です。大工さん曰く、手間は新築よりもはるかにやり難いそうです。 北側の外壁も柿渋の2度塗りを行いました。使った柿渋はすでに50リットル台となりました。 草が最も伸びる時期です。今日は草刈も行いました。この時期非常に限られた時間の中での作業は、時にイライラが募ります。体を全開で使っても1日でやれることは知れています。宿の仕事をやりつつ、・・・はっきり言って壊れそうです(笑)。


・2011年8月3日・・・部屋の間仕切りと床下地貼りと1F壁と天井の清掃と庭の手入れと薪作り

1F客室のリビングルームの天井です。エアーで小さな埃を飛ばし、スポンジに洗剤をつけて洗い、ぞうきんで水拭きしました。上を見ての作業ですのでやがて首や肩が固まってきます。古民家改修って、清掃作業の時間がかなりのウエイト占めることに気がつきました。 部屋数が多いのでかみさんと二人で休む間もなく次々に進めないと終わりません。いたずらに焦って作業している自分がいます。先は長いので落ち着いて作業すべきと解ってはいるのですが・・・。 抜いても抜いても生えてくる草。車山とは全く比較になりません。それでもかみさんはここに来るたびにせっせと庭の手入れに専念しています。宿をやるのって本当に”何でも屋”になることですね。 薪小屋が出来ましたので、少しだけ積んでみました。割る必要の無い細めの丸太を玉切りしました。この秋からはせっせと薪を割らなければなりません。この薪小屋にひとまず一杯に積み、さらにお風呂用にもうひとつ薪小屋を製作予定です。


・2011年8月4日・・・部屋の間仕切りと床下地貼りと2Fの構造材の清掃

玄関もそれとなく格好がついてきました。どんな仕上げにするかはまだ決めていません。基本は清楚で素朴な、尚且つ堅実なイメージを持って製作するつもりです。 2Fの構造材の最後のブロックの清掃作業です。かみさんと私で今日中に一気にやってしまうつもりでしたが・・・。 あと少しでというところで日が落ちてしまいました。気合入れててきぱきとやってはいたのですが、それなりの作業範囲でちょっと無理でした。いつも厳しいスケジュールを立ててしまう癖があるのです。まあ9月からはじっくりと出来るので焦ることはない、と自分に言い聞かせて現場を一時離れるとしよう。 2Fの構造材の清掃で使用していました雑巾はこの様な姿になってしまいました。さすがにもう使いづらくて廃棄しました。洗剤で洗う時に使うタワシもかなりの数消費しました。今までの人生でタワシがこんなに早く無くなる使い方をしたことがありませんでした。さあ、しばらくは本業に戻り、ここでの作業は一時中断です。また9月にお会いしましょう。


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